法務とか英文契約とかM&Aとか

某メーカーの法務部員のつぶやきです

要件事実を意識した契約書とは

要件事実が大事らしいですよ、ということで、


その1

甲が、故意又は過失により、本契約に違反し、乙に損害を及ぼした場合には、甲はその損害を賠償する責任を負うものとする。


日本では英米と異なり、契約違反でも故意又は過失が要件される。専門家としてのメーカーならではの過失って何なのという議論はもちろんあり。


で、甲の立場としては次のように修正


その2

甲が、本契約に違反して乙に損害を及ぼした場合、甲はその損害を賠償する責任を負うものとする。但し、甲に故意又は過失がないときはこの限りではない。


内容自体は同じようで、裁判時の立証責任がちがうのがポイントらしい。


ま、片務はダメですよ、といってその3のような双務に修正するのが当たり前なんで実務ではあんまり気にならないかもですが。

相手が強すぎるときはその2にするということですね。


その3

甲又は乙が、本契約に違反して相手方に損害を及ぼした場合には、甲又は乙はその損害を賠償する責任を負うものとする。


英米も一応理屈は同じようなんでもう少し意識しようかな、というところです