法務とか英文契約とかM&Aとか

某メーカーの法務部員のつぶやきです

クロスライセンス契約

クロスライセンス契約、他社では知財部さんの仕事なのかもしれませんが担当させてもらってます。


クロスライセンスの考え方は、元キャノン専務の丸島さんの本に詳しく書かれていて、勉強になりました。契約案はSECファイルを漁れば何か出てくると思います。


無償クロスや有償クロスがありますが事業部門としては無償にしたいのが本音でしょうか。


欲しい特許があるときに攻めて、こちらはどーでも良い特許を出してクラスでまとめるというのが王道とのことです。


当社からはコアとなる重要な特許はあげなくて済むように弾は多く準備する、と。が、そのためには日頃の出願活動が充実したものでなければなかなか難しいですし、そんな会社は日本で20社もなさそう。 


製薬は特許命の業界で知財部さんも充実してますが、クロスをやる業界ではなく、必要な場合はお金を払ってライセンス導入なんでしょう。ロイヤルティが10%を超えることもザラです。


他社特許に異議申立して、取り下げる代わりにクロスに持ち込むというのも王道でしょう。


日系企業で欧米中で異議申立を費用をかけてやってる会社は知財部門が充実しおり、クロスも多く、知財収入も多そうです。


前提としての他社特許のウォッチングですが日本で出願しない会社も増えてます。マーケットとして無視されてるのかも。なので、欧米とと中国でウォッチングでしょうか。


特許の質と量を確保するためには、他社の分析と自社の強みを意識して、研究活動にも口を出していくことが必要です。そのためには技術を理解するのが前提となります。


特許事務所に明細書の作成を丸投げしてる我が社は例外として、その場のクレーム議論はできてもトレンドまで把握してる人は少ないです。不思議です。



丸島さんは知財の新人は半年間は他社特許を読み漁るのが仕事、とのことでした。確かにこれにより技術のトレンドも分かるし、クレームの書き方も分かるし、他社の知財の強みや知財部門の本気度も分かりますね。落合陽一さんが言う所の最新の論文を100本読み込むのと同じ効果なのかも。


英語もできて、契約も作れて、特許もそこそこわかって、交渉ができる人はなぜかあまりいないけど、地道にやれば何とかなるところでもあるので何気にこの分野で地位を確立するのは難易度は難しいくないかも。



知的財産戦略

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キヤノン特許部隊 (光文社新書)

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キャリアアップのための 知財実務のセオリー ―技術を権利化する戦略と実行― Practice of IP for career  Dev. (ビジネスセオリー)

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知財、この人にきく (Vol.1)

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